All I do is poetry. Remember, the attitude or the action is the poetry, that is one of the important factors in my philosophy of poetry.
All I do is poetry. Remember, the attitude or the action is the poetry, that is one of the important factors in my philosophy of poetry.
“Poetry is a state of being” by Jonas Mekas
NEWS
永方佑樹
NAGAE Yuki
〈詩〉をテキストのフォルムとしてだけではなく〈行為〉としてとらえ、水等の自然物やデジタル等を詩的メディアとして使用し、「詩を行為する」表現を国内外で展開している( 「Dialogue対話-Voix聲 」:仏ポンピドゥセンター企画「Jonas Mekas Poetry Day」 等)。近年は「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」(2020・吉野)や「紀ノ国トレイナート」(2017,2018,2021・和歌山)等、多数のアートフェスティバルに参加する一方、自らもライブ・ポイエーシス=詩制作パフォーマンス「おと/ずれる言語」(2019・三鷹「SCOOL」)やサウンドアートプロジェクト「GeoPossession 声のトポス」(2022・東京)、「詩の肌を纏う都市の手触り」(2022・東京「 N&AArtSITE」)「時の襞―私たちはここにいる Pleats of Time -We are here」(2022・米アイオワ大学)等を企画。環境や社会を詩の眼差しで解体し、詩的媒体としてのテクノロジーで再構築する、領域を横断した様々な詩の形・捉え方を提案する。2019年 詩集『不在都市』で歴程新鋭賞。2022年秋、米国国務省教育文化局の助成でインターナショナル・ライティング・プログラム(IWP/ アイオワ大学)に参加。名古屋芸術大学非常勤講師。
執筆 écriture
単著
2016年詩集『√3』(思潮社オンデマンド)
2018年、詩集『不在都市』(思潮社、2019年歴程新鋭賞受賞)
共著
2021年『四季彩図鑑 写真でつづる日本の伝統色』(みらいパブリッシング、写真:北山建穂、詩:永方佑樹)
2022年『空気の日記』(書肆侃侃房、23人の詩人が綴ったコロナ禍のリレー日記365日)
詩を行為する
Act Poetry
かつてヨナス・メカスは「詩とは在り方(態度)である」と語りました。私にとって〈詩〉は世界を可視化する言語です。あるいは自らがそうした〈詩〉の身体=在り方になること。その身体で思考し、行為してゆくことで語られる=顕れるものを「詩」として扱います。言葉を使用した時は文字で構成される詩篇となり、写真やオーディオ等のテクノロジーを、時間や空間を接続する詩的メディウムとして使用し、時に水等の自然物も媒介させつつ、発声や身振りを、筆記と等しく身体的な行為として結びつける、原初の詩の解釈による表現も国内外で展開しています。これは筆記に偏ってゆく過程で振り落とされ、失われていったものたちをすくいあげ、肌触りが冷めた根源の手触りを手招きして、体感可能な形へと立ち上げる行為でもあります。
*メカス全詩集『Poezija』(ユリウス・ジス編:2021Odilė出版)およびメカス本人によるリーディング音声「Semeniškių idilės」(2017-録音:セバスチャン・メカス、ユリウス・ジス 編集:ユリウス・ジス、マヤ・ハン)を使用
*京都会場のみ水筆紙を使用(檜創建提供)
2019年に逝去したジョナス・メカスの、現存する貴重な朗読音声を「保存された記憶」として使用。母語の聲が読み上げてゆく文字を原文詩集の中に追い、指先が捉えた語を元に詩を再構築する本行為は、「詩」という装置を使った聲と文字、言語と言語、瞬間と記憶のダイアローグである。
(サンプル動画:仏ポンピドゥー・センター企画 「ポエトリー・デイ2024」東京プロジェクト@渋谷イメージフォーラム&京都プロジェクト@アンスティチュフランセ関西(ニュイ・ブランシュKYOTO 2024:建築映像祭KAFF 2024)。DeepL翻訳ツールを介して言葉のピックアップと再構築を実施。スクリーンの中で並列し、記述されてゆくリトアニア語と日本語(京都会場ではフランス語も追加)が、詩として再構築される過程で逐次それぞれの言葉の在り方を変えてゆく様子は、翻訳の可能性の示唆でもある。また、京都会場では水筆紙のパートも追加。一本の線を元に日本語(実施場所の言語)・リトアニア語(メカスの母語)、フランス語(企画元の言語)を発生させる事で、異なる表象がいずれも原点を同じくする、差異の本質を露わにする)
※『Dialogue対話 – Voix聲』は、ポンピドゥ・センターが詩を称える形式を刷新・再発明するため、毎年フランス国内外の会場で実施する企画「ポエトリー・デイ」の一環として実施。2024年はインスパイアを受ける詩人として、リトアニア出身の詩人・映像作家ジョナス・メカスが選出されたのを受け、メカスの「聲」との「対話」を行う事により、「詩」の祝福とした)
1.『Dialogue対話 – Voix聲』
2.Present
カメラの長時間露光を「世界を眼差す形而上的な時間の目(詩の目)」として使用。人間の視覚の尺度を拡張し、一種の「形而上的な目」で世界を眼差した時、どの存在が記録の中に留まり、どの動きが取り残されて、あたかも「無かった事」とされるのか。同じ景色を動画と長時間露光画とで同時に撮影し、それらを二重写しにする事で、異なる時間の尺度による世界の表れを視覚化すると同時に記録の冷酷さ、記憶の曖昧な不確実性を露わにしてゆく。
(サンプル動画①: 古都・奈良の道沿いに暮らす住人と文通し、彼らの道についての記憶、音、写真を元に、道の現在の姿をマッピングしてゆく「Geo-Letterジオレター ―窓をかぞえる―」奈良2021
サンプル動画②: 水で描いては消えてゆく習字練習用の紙を使用し、神保町の「今」の声をTwitterから収集する等しつつ、街の現在を「詩」の感触でつまみ上げ、露わにしにしてゆく「水知ー都市の袖を濡らす言びら」檜創建at神保町2022)
*前半は約10分間のマッピング動画(早送り)の上に、その間シャッターを開いていた長時間露光の静止画をオーバーラップさせているので、どの瞬間がこの時間軸の「目」に留まり、どの瞬間が無かったものとして失われているのかをつぶさに目視出来る仕様となっている)
3.痕跡Vestiges
8ヶ国語で構成されたビジュアルポエトリー「不在都市」(第2詩集『不在都市』表題作)を、声の痕跡を聞き取り、世界言語として再構築するデモンストレーション。その過程で露わになるのは、母語に支配された聴覚と偶然性により決定づけられる言語コミュニケーションの欠陥である。
(サンプル動画:2022アイオワ大学での実施。ダンスデパートメントとのコラボレーションする事で、いったん世界言語で再構築した詩をさらにダンサーの身体が反射し、その身振りを再び断片的な言葉として書き取っていって、最終的に立ち上げた詩を翻訳機を使用し、日本語から英語へと同時に変換してゆくこの実施は、言葉の幾つもの可能性の中からたったひとつを選択してゆく、「翻訳」という行為のデモンストレーションでもある)
4.身体と詩の
パフォーマンス
“Elle me raconte
(She tells me)”
日本とフランスという、言語や文化の異なる両国の差異を言葉や身体・水を通して抽象的、あるいは具体的に溶かしてゆくデモンストレーションであり、その過程や結果で詩が製作されてゆく、ライブクリエーションパフォーマンス。 日本から持参した水と、フランスで採取した水を混ぜ合わせ、「異なり」の溶けた水を元にして墨を作ってゆく、第一段階のソリューション(溶解)。その墨を使用し、書き終えた詩のフランス語を水に溶かすのが第二段階のソリューションである。 異なりが溶け、フランス語の詩語も溶けた水は、再び墨の材料とする事で、新たな言葉を生み出す源となる。 とはいえ、その墨を使用して書き上げた日本語の詩も、書き終えた直後に水に溶かしてしまえば、一見ただの水である。 だがその中には、異なる大地を巡り、異なる場所に湧き出でた水が混ざり合い、それらに育まれた個々の身体と、違う言語とが、境を無くして溶け合っている。
「私たちの異なり、距離、格差は、身体や言語を通して溶解(ソリューション)してゆく。それは水に似ているが、水そのものではない」。
あらゆる差異が溶け、それを表現した詩も溶けて、一つになった「水」そのものが、このパフォーマンスで制作した最終的な「詩」である。
Curation through POETRY THINKING
詩的思考によるキュレーション
環境や社会を詩の眼差しで解体し、詩的媒体としてのテクノロジーで再構築する「詩的思考によるキュレーション」も、詩を行為する上での大事な活動の一つです。
1.ライブ・ポイエーシス=詩制作パフォーマンス「おと/ずれる言語」
詩人、多言語話者、文化人類学者、比較文学研究者をパフォーマーとして採用。詩の歴史を遡行し、多言語で発話してゆく事で人類が言葉を発見し、言葉が詩となってゆく黎明期から現在までを声や身体、パフォーマンス的に撮影する「目」でなぞるように表現。途中、詩論を発話で解体する批評的パフォーマンスや、機械言語での即興詩を経て、それまで辿ってきた言葉の中から観客が選んだ限定的な言葉を使用し、詩へと再構築してゆくライブ制作をTwitterに記録した。なお、耳が聞こえない観客のため、AR(拡張現実)も実験的に採用している。
2.GeoPossession 声のトポス
※公開終了
詩、小説、戯曲、歌詞。十四人の言語表現者のポイエーシス(創作)を呼び覚ました土地(Geo)に、作者の肉声で作品を憑依(Possession)させ、さらにその明記の記憶を鑑賞者の五感に憑依させてゆくサウンドアートプロジェクト。バイノーラルレコーディングやジオポジショニングシステム等、最先端のテクノロジーを詩的媒体として使用し、土地を依り代にした様々なもの(創作行為や記憶、作者の声や身体の気配)を詩的に体感する、言語と呼応し合う「場」の記憶を四次元的に追体験してゆくサウンドアートプロジェクト。※協力Kalkul
3.時の襞
Pleats of Time -We are here
※公開終了
バイノーラルレコーディングやジオポジショニングシステム等、最先端のテクノロジーを詩的媒体として使用する「時の襞Pleats of Time -We are here」は、忘却に対する抗議、時間の不可逆性への挑戦として、インターナショナル・ライティング・プログラムIWP2022Fall Residentの「現在」を半永久的にアイオワ大学の土地に留める、IWP2022モニュメンタルプロジェクト。作者の瞬間の身体性が永遠に保存され、体験者の鼓膜に貼りついてゆくと共に、目の前の景色を別の時間の気配がうるおしてゆく、たわんでゆく時間の襞に生まれる「詩」のような手触りの体感でもある。※協力Kalkul
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